投資と投機は、どちらも結果として金銭的なリターンを得る目的がありますが、両者の意味はそれぞれ全く異なるものです。今回は、これから投資を始めたいと考えている方に、投資と投機の違いをしっかりと理解して頂くためにも、投資と投機の違いは何かをわかりやすく解説します。
投資は価値があるもしくは見込めるものに資金もしくは何かしらの行為を行いリターンを得ること
投資とは、何かしらの価値があるもの、もしくは、価値が高まると考えられる者に対して、何かしらの形で資金を投じる、もしくは、行為を行うことでリターンを得る行為のことです。
株式投資であれば、株式を購入することで企業に投資を行い、企業が事業活動を通じて収益を上げることで、その収益からリターンを得る目的で株式を購入します。
投資は金融商品を買うことだけではない
投資は、株式の他、債券や不動産などの金融商品を購入することだけが投資ではありません。身近な例でいれば、本を読むことも投資の一つです。さらに、事業経営をしている方であれば、事業を行うために必要な設備を導入することも投資の一つであると言えるでしょう。また、お子さんがおられるご家庭であれば、考え方によっては子育ても投資であると言えます。
投資は、庭に種をまき植物を育てるのと同じで、何かしらの形で行った結果が大きく花を開くことで、さらなる可能性に結びつけられることにあります。
投資は価値を生み経済発展につながる
例えば、株式投資の場合であれば、株を購入した投資家だけがリターンを得るだけではなく、その投資を通じて価値が高いサービスや商品の提供など、何かしらの形で経済に貢献を行い、結果として経済が発展することにつながります。
また、本を読むことでご自身の知見が広がることで、ご自身の仕事にうまく活用することで昇級や、スキルアップのための転職ができる可能性も広がり、仕事を通じてより多くの社会貢献ができるようになると言えるでしょう。
投機は目先の利益の確保を目的としたマネーゲーム
一方、投機とは目先の利益を確保するために機会をうかがって、そのタイミングで資金投じてリターンを得る行為です。
パチンコや宝くじ、競馬などが投機の代表的な例として挙げられます。また、後述していますが、投資と混合してしまう方が多い、株のデイトレードやFX、仮想通貨も投資ではなく投機であると言えます。
あくまでも、社会貢献という側面より目先の資金の確保を目的として、ゲーム感覚で行うマネーゲームと言えます。
デイトレやFX、仮想通貨は投資ではなく投機
株のデイトレや、外国為替証拠金取引(FX)、仮想通貨は、投資と混合している方が多いですが、これらは投資というより投機に近い側面があると考えています。
デイトレやFX、仮想通貨は、短期的な値動きを追ってその差益を得ることで利益を確保する目的で行います。短期的な値動きで利益は得られますが、それによって証券会社やFX、仮想通貨業者の収益への貢献は可能ですが、投資とは異なり何かしらの価値を生むことや経済に大きく貢献することはありません。
FXの外貨は、あくまでも通貨であり、需給関係で価格が決まっています。通貨その物に大きな価値はなく、あくまでも物々交換の道具にすぎません。ただし、外貨については国の中央銀行が価値を担保していることや一定の利息が支払われますので、一定の価値は担保されているといえます。
一方で、仮想通貨については、利息が無く、価値の裏付けがないことを考えると投資するには値しないと考えています。
仮想通貨は、ブロックチェーン技術の応用や、将来的に用途の可能性は広がることは期待できますが、それと通貨の価値は別物で、将来的にすべての仮想通貨に対して現在の需給関係が維持されるとは限らず、あくまでも仮想通貨のレートは価値に基づいて算出されているわけではありません。
投資と投機は賢く使い分けることが重要
投資と投機は似て異なるものですが、ここでは投資が良く、投機が悪いと述べているのではなく、あくまでも、両者の違いを理解したうえで、適切に使い分けていくことが大事であると考えています。
投機は短期的な収益確保を目的に行い、投資は株式や債券、投資信託を利用して中長期的な資産形成を行うために、外的な成長力を取り込んで将来的にリターンを確保して資産を増やしていくことができます。そのため、運用を行う目的をしっかりと明確にした上で賢く使い分けていくことが重要です。