普段経済のニュースでよく「証券取引所」という言葉を耳にしますが、具体的に何をしているのか気になります。今回は、証券取引所とは何をしているところなのかを解説し、株の売買の仕組みを解説します。
証券取引所とは株式の売買を仲介する
証券取引所の仕組み(筆者作成)
証券取引所とは、企業が資金調達のために発行した株式の売買を仲介を行っている場所です。
普段我々が株式を購入する場合、一般的に証券会社を通じて購入します。証券会社は顧客から受けた注文に従って、証券取引所を通じて対象の株式の売り手から購入することになります。
一方で、株式を売却する際も同じで、顧客が証券会社に対して売り注文を行った場合は、証券会社は証券取引所を通じて株式を買い手に売却します。
株式の仕組みについては以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
証券取引所での売買は上場基準を満たす必要がある
企業は、事業活動を行うにあたり株式を発行して資金調達を行いますが、今回紹介している証券取引所で売買できる株式は、国内すべての株式会社の株式が売買できるわけではありません。
証券取引所で売買できるのは、財務内容や純資産額、株式数、株主数といった上場基準を満たしている必要があります。そのため、より多くの方が自由に売買できるようにすることで、証券取引所は、取り扱っている株式の価値について一定の信頼性を担保する役割もあると言えます。
ちなみに、証券取引所を通じて誰もが株式を購入できる会社を「上場会社」、証券取引所に上場しておらず、株式の売買を自由にできない会社を「非上場会社」と呼びます。
2018年3月時点では、日本の証券取引所で売買されている株式は約3600社以上となっています。
株式の売買はオークション方式で行われる
証券取引所を通じて株式を売買する際は、オークション方式(競売方式)が採用されており、「価格優先の原則」と「時間優先の原則」の2つの原則に基づいて取引を成立させます。
価格優先の原則
価格優先の原則は、買い注文においては価格が高い方が優先されますが、売り注文においては価格が低い方が優先されます。そのため、株式を発注する方法として、注文が成立した価格で約定する「成行注文」と、予め価格を指定して約定する「指値注文」がありますが、成行注文は価格をしてしないため優先的に注文が受け付けられます。
時間優先の原則
時間優先の原則は、仮に同じ値段で売買注文が複数行われた場合、注文が行われた時間が早い方が優先して注文が受け付けられます。
証券取引所では、株式の売買を行う際には、一つ一つの注文に対して不正な取引が行われていないかを監視し、常に、正常な取引を維持する役割も担っています。
国内に証券取引所は4都市にある
日本国内には、東京にある東京証券取引所の他、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所があります。
大阪取引所については、現物株式の売買については2013年に東京証券取引所と統合され、日本取引所グループが発足したことで、現物株式の売買は東京証券取引所、大阪証券取引所は大阪取引所と名称変更した後に、先物など金融派生商品の売買を取り扱う取引所とすみ分けが行われました。