投資信託で長期的に資産形成を行いたいと考えている場合、将来得られるであろう利益を大きくするためには、運用コストしっかりと確認することが重要です。今回は、投資信託で資産形成を検討している方に、運用にかかわるコストを抑えるためのチェックポイントをお伝えします。
販売手数料が無料である「ノーロードファンド」を選ぶ
投資信託を選ぶ上で、まず確認すべきこととしては販売手数料が無料である「ノーロードファンド」であるかどうかをチェックします。
投資信託は、運用会社が定めた範囲内で販売側である金融機関が独自に、販売時の経費などを補填する目的で「販売手数料」を徴収する場合があります。そのため、金融機関の窓口で勧められる投資信託の多くは販売手数料が多く上乗せされているパターンが多いです。
ただ、近年ではSBI証券などインターネットで取引ができるネット証券が普及したことで、販売にかかる経費は大幅に抑えられるようになったことから、販売手数料が発生しない「ノーロードファンド」の取り扱いが増えています。2018年2月時点でSBI証券におけるノーロードファンドの取り扱い数は1224本となっています。
運用管理費用である信託報酬は1%以下が目安
次に、投資信託を運用する上で、運用会社に支払う運用管理費用「信託報酬」が低い投資信託を選ぶことが重要です。信託報酬は、投資信託によって様々で高くて年率2%から3%の信託報酬を徴収する銘柄もあれば、1%以下の信託報酬を設定している銘柄もあります。
2018年1月2日付けの記事でも記載していますが、投資信託は大きく分けて「アクティブファンド」と「インデックスファンド」がありますが、アクティブファンドは独自の運用方針に基づいた運用を行っているためコストが多く発生します。
一方、インデックスファンドは、日経平均株価などの指数に連動するよう銘柄が構成されていますので運用上のコストが低く抑えられます。そのため、アクティブファンドは、信託報酬が高めである傾向なのに対して、インデックスファンドは信託報酬が低めに設定されている傾向にあります。
目論見書で見ると2%や1%の数字は一見すると、然程大きな差は無いように思えますが、これを長期的に続けた場合、負担する運用コストも大きく差がついてしまいます。例えば、信託報酬が年率2%の投資信託と年率0.1%の投資信託を10年間運用した場合、信託報酬2%の投資信託は10年間で20%、信託報酬0.1%の投資信託は、10年間でたったの1%となります。
長期的な運用で得られたリターンをより多く手元に残すためにも、信託報酬は1%以下を目安に投資信託を選ぶと良いでしょう。
償還期限が無期限であり解約時のコストが発生しないこと
投資信託は、銘柄によって運用期間の定めである「償還期限」が設定されている銘柄もありますので注意が必要です。特に、長期的に運用していく場合、償還期限があってはその期限を持って運用が強制的に終了してしまうこと担います。また、将来どうしてもお金が必要になり換金したい時に換金できないことも考えられます。
また、償還期限が設定されている投資信託は、償還日前に解約した場合、金融機関によって解約手数料が設定されている、他の投資家の不利益を補填するために「信託財産留保額」を設定している場合もありますので注意が必要です。
そのため、解約時に想定外のコストが発生することもありますのでしっかりと確認しておく必要があります。
税金を抑えるにはNISA口座を活用する
投資信託の運用コストではありませんが、投資信託を売却して値上がり益を得た場合と分配金が支払われた場合、所得税として20.315%課税されます。
そのため、折角運用で利益が得られても所得税が課税されることで手元に残るリターンが減少する要因になります。そこで、少額投資非課税制度(NISA)を活用することで、年間120万円までの投資から得たリターンを最長5年間にわたり非課税にできます。
また、月額3.3万円以下の金額で投資信託を積み立てて投資したいと考えている場合は、年間40万円までの投資で得たリターンを最長20年間非課税にできる「つみたてNISA」を活用することもできます。
NISA制度の概要については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご参照ください。